忌わしき現実から、楽市が勇ましく逃避する日々を、綴る。
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(1999/06)
北村 薫

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昭和40年代の初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、千葉の海近くの女子高二年。それは九月、大雨で運動会の後半が中止になった夕方、わたしは家の八畳間で一人、レコードをかけ目を閉じた。目覚めたのは桜木真理子42歳。夫と17歳の娘がいる高校の国語教師。わたしは一体どうなってしまったのか。独りぼっちだ―でも、わたしは進む。心が体を歩ませる。顔をあげ、『わたし』を生きていく。
 設定を改めて思うと、惨いほど残酷だ。未来に飛んだ人格と、そうでない人格があるということは、つまり一つの分岐点で人格が二つに複製されている。そして、その一方は途中で世界から消滅しているんだもの。まぁそれがただの記憶障害にせよ、物語自体に、それらはさして重要ではないんだけど。それを差し引いても、主観の境遇は、どういった展開が待っていようと残酷でしかないように思う。
 さて、特殊な立場に置かれる主観に訪れる展開は、面白い。ただ十七という設定の主観が、あまりに完成された人間で、少し違和感。時代を飛んだことへの戸惑いを重点に描くのが普通かなと思うのだけど、半ばからは、およそ時代に順応した上での環境に奮闘している。それはそれで皮肉だなとも思う。
 読んでいるだけなら楽しめるのだけど、設定が設定なものだから、話に救いがないのが個人的には残念。面白い。面白いのだけど、あまり良い読後感では、ないんだよなぁー……。
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